スピードクライミングとは?日本で流行らなかった訳
スピードクライミングとはトップロープ(ゴール地点からロープで吊られています)で安全確保された形で、同条件の壁をどれだけ早くかけ登れるかを競っています。壁の角度・長さ・ホールド(壁の手がかり)の位置も世界共通化することで、世界記録も正式に認定されているフリークライミングでは特殊な種目です。
スピード競技は10mまたは15mの壁を跳び走るように登るため、見栄え・勝負の分かりやすさ・簡易性もありエクストリームスポーツとしてX Games(エックスゲームズ)に取り上げられたこともありました。が、「他人(隣の競技者)に勝つ」というクライミングの本質とかけ離れた要素も内包していたため、日本では全く普及してきませんでした。タイムを突き詰めるという意味では、スポーツっぽく限界を追求する姿勢は理解できますが、とりわけ通常のクライミングに対しては単調すぎるきらいがあります。
個人的には、スピードクライミングは比較的経済的に貧しい国でも強化しやすい種目だと思っています。スピードクライミング専用の壁は平面で規格も決まっており、取り付けられているホールドも世界共通で少数です。設備的には複雑な壁形状も、高価で大きく見栄えの良いホールドも必要ありません。練習施設を確保し、練習した分だけ早く登れるようなるのは自明の理です。
しかしフランスやイタリアなどは、先進国でありながらスピード種目にも力を入れています。2020年の東京オリンピックに3種目複合で競うスポーツクライミングが採用された今、日本でもその1つであるスピード競技の練習施設拡充・普及が急がれています。
こんなに長く書きましたが現在のアクティバにはスピード専用を含めロープクライミング用の壁はありません。申し訳ありません。。。
上海で見かけたスピードクライミング専用壁です。左右のルートとも同じホールド配置になっているのが写真でもわかります。世界的にはロシアが圧倒的に強く、アジアでは最近は中国やイランがスピード競技に力を入れています。ちょっと前はインドネシアも頑張ってました。